感情なんてすぐにとっ散らかる

皆さまこんにちは。

 

先日、新橋演舞場で”トリッパー遊園地”を観劇してきました。

なので、今回はその感想とレポでもつらつらと書いていきますよ。

思ったこと、感じたことをぶわーっと吐き出してるようなものなので、正直まとまりはないですが…それでもよければどうぞ。

 

物語の舞台は戦前から続くとある遊園地。経営悪化の為に遊園地を取り壊し、リゾート施設の建設を考える社長(マサヒロ)があることをきっかけに現代(2019年)から戦時中(1944年)の遊園地へタイムトリップしてしまう。そこで祖父母や周りの人と過ごしていくうちに、大事な事、自分の守りたい物に気づいていき…?

戦時中+タイムトリップ、という中々見ない組み合わせの物語。何となく、オチは見えているような感じでしたが、どういう風に話を持っていくのかなー、というのが気になりつつ、行くまでは感想もレポも読まずに当日を迎えました。

 

当日、演舞場に行くまでの道中からワクワクが止まらず、会場入りした時点でもうドキドキでした。私にとって初めての舞台観劇・初めての演舞場(劇場)ということもあり、目がキラキラしてたんちゃうかなぁ…一人やったから真相は分からんけど(笑)

始まるまでは周りをキョロキョロしつつ、いつもの癖で機材や舞台装置なんかを観察しては「あの灯体どっかで見たけど…名前なんやったっけ…?」とか思いながら開演を待ちましたよ。(これは完全に職業病なので気にしないでほしい)

 

始まってすぐ、歌とダンスのパートがあった。照明もガンガンチェイス組まれててカラフルで、予想してた始まりとずいぶん違って驚きました。(もっと静かに始まるのかと思ってた)

そんな始まりだったからか、開演からしばらくは照明・演出の観察を中心に見ていました。本編に入った頃から内容や演者さんの動きを中心に見つつ、やっぱり気になるのは照明や演出。例えば、空襲のシーンはこうやって表現するのか!この機材使ったらこういう表現ができるのか!ということを考えつつ見ていたので、私の目線と思考は行ったり来たり。

ぶっちゃけ、公演中はずっとこんな感じでいろんな所に視線と思考を巡らせていたので結構疲れた。そして、1回じゃ納得できない所・消化しきれない事、が沢山あった。

 

見ていて楽しいなと思ったのは、2幕の冒頭、遊園地でのショータイムのシーン。特に、マサヒロとショウヘイのダンスはさすがジャニーズ!!という気持ちと河合くんと辰巳くんがデュエットしてる…!!(感動)という気持ちでいっぱいだった。

戦時中の話でこのシーンが必要か…?とか一瞬思ってしまったけれど、やはりジャニーズが出る舞台っていうのでそういう見どころも必要なんだろうな。純粋に、話の内容に惹かれて見に来たお客さんに、あのシーンはどう映ったんだろう…。一回そういう方と話をしてみたい。押しを目当てに舞台を見に行く人間とそうでない人間の対談ってなんか面白そうだよなぁっていう、純粋な興味なのだけど。

 

思わず泣いてしまったのは、1幕の終わり、マサヒロの台詞。台詞の中身というよりは、マサヒロを演じた河合くんの、あの、気迫の迫る演技と叫び声に思わずグッときてしまった。そのシーン以外にも、マサヒコの許嫁にマサヒロが代わりに会いに行くシーンや、マサジ(マサヒロの祖父)が戦死したことを知らされるシーン等、ウルっときた場面は結構あった。1番はショウヘイの出兵シーン…と言いたいけれど、正直私は複雑だった。

花道の近くで見たら、もっと近くでショウヘイ見ていたら違ったのだろうか。

 

何で複雑だったのかというと、単純な話、私がふぉ~ゆ~が好きで辰巳くんが好きだからだ。出兵前、ショウヘイに想いを寄せるハルとの絡みがあるのだけど、そのシーンを見ながら「ハルちゃん!!そこ!!変わって!!」とか思いながら見ていた。完全に痛いオタク全開だ。感動的なシーンで私は何思ってんだろなー、と冷静な自分もいたけれど、感情の大半はこのことで占められていた。(痛いのは重々承知なので、突っ込まないで欲しい、切実に)

そんなことも思いながら、でもやっぱりウルっとしながら、3時間ほどの公演を見終えた時に真っ先に思ったのは「感情と思考と目線が取っ散らかりすぎて疲れた…」

「でも、戦時中の話を新しい目線・切り取り方で表現していて、新鮮な作品。戦争モノが苦手な自分でも楽しめる舞台だったな」というのが一番の感想かな、と。

 

今更ぶっちゃけるのもなんだけど、私は戦争モノの作品や話が苦手で、見ないようにしていたジャンルだった。何故なら、生まれ育ちが長崎市の私は小さい頃からそういった話には触れてきていている分、戦時中の話なんかはもうお腹いっぱいやねんけど…っていう感情がすぐ生まれてくる。

でもこの作品にはあまりそういった感情は生まれてこなかった。変に押しつけがましくないからだろうか。少なくとも、私にとってはそうだった。

 

取り敢えず、1回見ただけでは感情も思考も全部処理できなかったので、大阪公演も見に行きます。というか、1回見ただけで満足できる舞台ってあるんだろうか。

「舞台は生もの。同じ舞台というのは二度と出来ない」と演劇をやっていた友人が言っていたことがあるが、本当にそうだと思った。舞台・ライブ・コンサート…生ものと言われるそれらから受けるエネルギーは言葉にできないくらい凄かった。同時に、次に受け取れるエネルギーはどんな物なんだろう、とワクワクもした。

 

あぁ、誰かと一緒に見て語り合いたいな。